正義の味方犬
少し前のお話。
ささこの散歩は、家の近くを流れる小川沿いの道を通り、その先の小さな漁港でフリータイムというのが定番である。
その川にはかつて近所の方が飼っていたアヒルがいつも泳いでいて、なんとも のどか〜な雰囲気をかもしだしていた。
「ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ 」なぜか、ささこが散歩に行くと彼らは途端に鳴き出す。
しかし海に着けばフリータイム(周りに人がいなければ)。ささこはそんな水の上にいるアヒルなんて関係無しに自分の散歩を満喫し始めていた。
ささこがフリータイム中なので私は川の岸辺にしゃがみ込み、アヒルを眺めつつ「ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ 」とアヒル達のまねっこで合唱に参加して遊んでいた。(←ばか)
これが悲劇の始まりだった。。。
「ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ 」調子に乗ってアヒルのまねをしていた私だったが、その時アヒルがこっちを向き、そして目があった。。。(←げげ)
「ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ・・・」
4羽のアヒルは、つーいとこちら側に向かって水をかき、「ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ 」岸へと上がってくるではないですか〜・・・!
「ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ 」ずんずんと水掻きの付いた足を踏み鳴らし、列をなして「ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ 」私を見据えながら向かってくる〜(←うひゃ〜)
不覚にもその時の私、あまりの恐怖に足がすくみ腰を抜かす寸前。。。しかしアヒル達はどんどん迫り・・・私にはアヒルが普段の何倍もの大きさに見えた。(←まじで)。
アヒルに殺されるるるる〜 もはや万事休すの状態。
私が助けを求められるのはささこしかいなかった。
「さ ささ〜っ!!!!」
たたたたたたたたたたたっ! ささこ参上☆
「わんわんっ!」
「ガァーガァーガァー」バサバサッ
私の危機を察知し、駆けつけたささこがアヒルを追い払ってくれたのだ。
「ささ〜 ありがと〜(泣)」
私はささこにすがりつきたかった。
・・・が ささこは「うお〜!(ご褒美のジャーキーは?)」
「うっ・・ごめん気付かなくて はいジャーキー。」
私が差し出すと、ぱくっ☆と、くわえるのとほぼ同時にささこはくるりと向きを変え、ぴゅ〜っと再びさっきまで遊んでいた場所へと走り去っていったのだった。。。
あ゛〜・・・きょうびの正義の味方はドライだねえ・・・・しかし報酬はきっちり要求するのか(笑)
再び平和の訪れたその海辺で、何事もなかったように走り回るささこや、すでに川でくつろいでいるアヒル達を眺めながら、もうアヒルのまねなんてするまいと心に堅く決心をした私なのでした。
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