絡む犬
「わんっ!」
人を呼びつけるような、聞きようによっては怒りと哀しみの入り交じったようなそんな一声が聞こえた。
こんな時は大概、ささこがどこかに引っかかって自分では身動きがとれなくなった時だ。
ささこの綱は、家から物置小屋までの約10m程の間に太いテグスをはり、そこに繋がれているので、ささこは自由に庭を行き来出来るようになっている。しかし行動範囲が広いが故に引っかかる可能性のある障害物も多いというのが多少の難点である。。。
ささこも、軽く1回引っかかり程度の場合は自分で反対方向に回れば外すことが出来るというのを分かっていて出来るだけ自分で対処しているが、回る方向を間違えたり、回る方向は正確でも回転数を間違えたりしてしまうと、さらに泥沼にはまってしまうことになってしまう。
そんな時、私たちが呼びつけられるのであった。。。。
どれどれ・・・と庭を見やると案の定ささこの綱が引っかかった状態で、目線はまっすぐこちらを見ていた。
今助けてあげるからね〜と外に出ていこうとした時、ちらりと小さい犬の小屋の方を見た。・・が、ささこの一大事だというのにフツーに小屋の中で寝ていためいちゃん。。。。。
「めいちゃん!ささが大変なんだから、『大変 大変』って教えなきゃだめでしょ。」と言ってみても小屋から顔だけ出し、「どうかしたの〜?」という感じ。。(←オイオイ)
「わんっ!おぉ〜!!(何してんの!早く助けてよ〜!)」
そんなことをしてる間にもささこは待ちきれなくて怒り始めている。
「はいはいはい・・・。」
今回はわりと簡単に絡まっただけのようだ。
「こっちくるっと回って・・・んで、今度はここくぐって・・・・。」とささこを誘導し、綱の絡まりを解いていった。・・・そして最期の一くぐり、絡まりの呪縛から解き放たれたその瞬間!
だだだだだだっ
・・・せっかく助けに行った私をその場に取り残し、ジャーキーの置いてある部屋の前へ直行。。。
そして「ぉおお〜!(さぁ、ジャーキー頂戴!)」
コラ!なんだねその高飛車な態度は?!
たしか今は・・・困っているささこを私が助けてあげたのではなかったかな??
しかしささこにしてみれば、身動きがとれなくてと〜っても不愉快な思いをしたんだからお詫びのジャーキーは当然でしょということらしい・・・。
だから、ささこがひとりで勝手に絡まったからでしょ、という感じなのだが、私のツッコミはあえなく却下され、ささこには御要望通りジャーキーが与えられた。。。。
・・・ふと見ると、ちゃっかりご相伴に預かろうとパタパタしている小さい犬が一匹。
「めいちゃんも欲しいの?」 「わんっ☆」
しょうがないわね〜と、めいちゃんにも一片・・・と思ったその時。
「ぅが〜!(めっこは関係ないでしょぉぉ〜)」って
めいちゃんはささこに怒られてるし。。。(^-^;)
ささこ〜 一緒におやつ食べてもいいじゃん。。。
めいちゃんもそんなときだけ参加するのはどうかと思うよ〜
・・・やれやれ
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